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正木高志さん 巡礼満了インタビュー

さよなら原発 / Walk9 九州一周エネシフ巡礼
正木高志さん 巡礼満了インタビュー
2011年10月19日 in 長崎出島ハーバー
さよなら原発 / Walk9 九州一周エネシフ巡礼
新しい空
―――「WALK9さよなら原発エネシフ巡礼」は、本日この長崎爆心地公園にて無事フィナーレを迎えられました。50日以上にもわたる長旅、お疲れさまでした。九州一周の巡礼を終えられました今のご心境をお聞かせ下さい。
正木:今はね、もうカラッポですよ。“Empty sky” という歌を、僕は最近よく歌っていますけれども、その「カラッポの空」、「新しい空」みたいな感じですね。
―――先ほどは巡礼の満了を神様に奉告し、世界の平和をお祈りする祭事が執り行われました。出発日の朝には正木さんのお祈りのスポットである阿蘇山の仙酔峡で、中岳と高岳を間近に望むところに祭壇を設え、火口に向けてお祭りをさせていただきましたが、どちらも雲ひとつない見事な晴天に恵まれましたね。
正木:今回も出口春日さんにお祭りをしていただきましたが、2007年に出雲から青森県六ヶ所村までのウォークを行った時、フィナーレのお祭りを出口信一先生にしていただきまして、その時も見事に晴れ上がりましたね。朝の5時ぐらいに様子を見に行った時には豪雨で、「これは危険だ、とりやめにしよう」って言ったら、「必ず晴れます、大丈夫」っておっしゃる(笑)。そしたら本当に快晴になりましてね。御恵みをいただきましたね。
内面を見つめる「巡礼」
―――正木さんたちがウォークで廻られている間も、脱原発の大規模なデモや集会などが威勢良く行われています。それに対して正木さんのウォークは静寂な印象を受けました。主張を声高に訴えるのではなく、黙々と歩く。その目指されるところはどこにあるのか、お聞かせ下さい。
正木:特に今回はもうハッキリと、内面世界を探っていく「巡礼」というふうになりましたね。それが今回の特徴だったと思います。外じゃなく、内面ばかり見つめていくようなことに、だんだんなってきましたね。
    人間の欲が大きな罪であって、それが福島のような事故を起こした。昔はここ長崎でも原子爆弾を浴びせられた。それはアメリカがやったんだけど、過去に日本の犯した罪のための、ある意味では天の懲罰であったと思うのですね。
    福島の場合も、人間の強欲が事故を起こしたのだと思うのですよ。お金のために命を破壊してもいいっていう、これが現代の先端の科学者や、財界の人たちの意識ですね。そのことを許している私たちの罪を懺悔して、命を軽視する今までの傾向を許すことのない文化が生まれる、それを本当に祈りたいですね。
―――原発を止めさえすればいい、あるいは廃絶しさえすればいい、という単純な話ではありませんよね。
正木:やはりアヒンサー(非暴力)の精神が大事だと思います。人間の暴力は、昔は腕力だった。でも今はお金の暴力で、もうやりたい放題なんですね。都合のいい法律を作って、お金があったら何やってもいいっていうマネーの論理で、人間だけじゃなく広大な自然が、生き物たちが、長い長い間どれほど苦しむことになったのか。福島の原発事故は、その罪が表れたのだと思うのですね。
―――脱原発を訴えるというだけでなく、人間の罪を懺悔し改心するための巡礼、という意味があるわけですね。
正木:昨日、浦上天主堂でお祈りをしました。そこで本当に懺悔することが必要なんだと思いました。フクシマは、文明が自然に対して犯しているもろもろの罪の必然の結果である。そこが改まらないと自分たちが原発を超えようという意識、自然界を破壊しないアヒンサーの意識にシフトすることができない。 私たちはまず、人間が自然に対して行ってきた破壊の罪の深さを理解して、悔い改めなければならないでしょう。現代社会が負うべき十字架を、福島の人と自然が身代わりになって担がされていると思います。
    「夜から昼へ」、「芋虫から蝶へ」っていうシフト、その変化の時だと思いますね。今回の巡礼で、その種が出来たと思っていますよ、自分の中にも。たぶんみんな(周りの若い参加者を指して)の中にも。今年の3.11からの経験の種ですね。
    今から少し休んで種を土におろして、冬が来て、そして春に芽を出して……どうなっていくか楽しみですね。
「土からのマルシェ」
―――今回のウォークの期間中、行く先々の土地の方々と対話をもたれると、出発時のインタビューでお聞きしました。
正木:本当にいろんなジャンルの人たちと出会いました。宗教的な人もいるし、サーファーもいるし、農業志願の若者、バリバリの活動家もいたりして。多種多様な人たちと出会って、そして繋がりが出来ました。小さいけれども、ガーランド(花輪)が出来たと思うのです。これが次の年には大きくなって、どんどん広がってゆくのだろうと感じています。
―――そういえば出発の朝、アンナプルナ農園から阿蘇山の仙酔峡へ向かう車中で、「これからはマルシェ(フランス語で「市場」のこと)の時代だ」と仰っていました。原発は必要ないという人々が多数派になるには、想いを共有するような情報交換の場、暮らしに根ざした「女たちの世直し」が必要だと。
正木:気持ちを共有しあう場が必要で、それは暮らしに根ざしたものでなければ続かないだろうと思います。マルシェは、いま小さな市場という感じで、ぷくぷく発酵するように生まれてきています。命っていうのは発酵物だと思うんですよ。命が湧き上がるみたいに、マルシェがあちこちで広がっていくと思う。それが「女たちの世直し」の基盤になると思うんですね。
―――正木さんのホームページ“Butterfly System”のブログ日記には、「コブシをふり挙げて戦うのではなく……病人の体内の悪玉菌と善玉菌のせめぎあいのように、善玉菌より悪玉菌がまさったら、社会は腐敗してゆき、腐敗菌より発酵菌がまさったら、いのちがよみがえる。市場は発酵場。市場が発酵して広がってゆけばいい」と書かれていますね。
正木:3.11以来、関東・東北から九州に避難してきた人も増えてきているし、それ以前から自給自足の生活がしたくて、各地にグラウンディングしていった若者たちもいるわけです。そういった人たちがとりあえず食べていける方法として、毎週近所のどこかでマルシェ、小さな市場をやっていたら、そこで情報交換もできるし、自分たちで作った安全な食べ物を持ち寄って、お金がない人は物々交換しながらでも暮していけると思うのですね。
    今まで男たちが行ってきたデモや集会、それはそれで必要だと思うのですが、それにプラスして、食べ物や命のことから始まる「女たちの世直し」のマルシェが広がっていくと、「原発いらないよね」っていう井戸端会議があちこち出来るようになる。そうなるといいですね。
―――生活と密接に結びついた脱原発、そして日本の真の平和に向けての、草の根の活動ですね。
正木:巨大なマネーシステムの一番対極にある、小さな、「土からのマルシェ」ですね。
「歩く」ことによる「禊ぎ」
―――今回の巡礼を今日この長崎の地で満了されまして、ひと休みされるということですけれども、次のウォークのご予定などはありますか。
正木:もう歩かないとは思いませんけど(笑)、今は何の予定もないです。こういうのは「歩け」っていう神様の命令がないなら歩いてもしょうがないことだし、その必要があるときには、いつでも歩かせてもらうと思いますね。
    歩くのは本当に気持ちがいいです。水が流れるみたいにね。さっき懺悔っていうことを言ったけれども、これは自分の心の罪が、3.11みたいな大きな衝撃でね、こう……水の底からかき混ぜられるんですね。それが、歩いていると水が流れるように、湧き上がった泥がキレイになっていくんですよ。浄化力が非常に強いのです。これは「歩く」っていう行為から生まれる功徳なのだと思います。ありがたいですね。
    昨晩、ウォーク最終日のミーティングの中で、みんな自分の心の中の闇を見たり、罪を見たりしたようですが、それがいいんですよ、洗われるから。それが禊ぎなのだと思いますね。参加者それぞれが、この巡礼で心の禊ぎが出来たと思います。行脚っていうのはそのために大昔からずっと行われてきた修行なのでしょうね。弘法大師がそのさきがけ、ご先達ですよね。
―――出発前インタビューでも、「弘法大師と一緒に歩きたい」とおっしゃっていましたね。
正木:はい確かにね、そうでしたよ。そして最後に、みんなに向かって「よし」と言ってくれたような気がしています。若者たちに「よくできたね」って。
―――お疲れのところ長時間のインタビューに応じていただき、ありがとうございました。
(文中敬称略)
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