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第1巻 第2篇 幽界より神界へ

第1巻

第18章 霊界の情勢 P98

 第1巻は霊界物語全巻の大あらすじが書かれてあります。
 あらすじですから、国祖・国常立大神くにとこたちのおほかみさまはある事情によって隠退された──という具合に簡単にしか書かれてありません。しかし3巻、4巻と読み進んで行くと、隠退に及ぶまでの長い長いドラマが出てきて、その詳しい経緯が判ってきます。

 国祖が隠退された後、地上神界の主宰神となるのが、盤古大神ばんこだいじんです。
 この神は今の中国北部に降りた神といわれています。
 盤古大神は地上神界を国祖に代わって治めることになりますが、思うように行きません。そこで天の祖神がまた国常立大神の御復権を要請されます。盤古大神はもともとは悪い神様ではありませんので、国祖が復権されたときは、そういう時節がやって来たことを悟ります。しかし盤古大神を推し立てていた邪神界は承知しません。

 三つの邪気は自分たちが盟主となって地上界を混乱させようとたくらんでいましたが、しかし国祖・国常立大神が復権されました。
 この三つの邪気は改心ができていないため、それが今、現界に写ってきています。
 霊界は必ず現界に写ってきます。霊界の情勢は現界の情勢でもあるわけです。

 ローソクに火をともすとすすが出ますが、邪気というのはそのようなものであると王仁三郎聖師は言っておられます。
 この邪気が凝り固まって、地上に三つの悪が生まれました(P101)。一つはウラルの地で。二つめは印度(インド)の地で。もう一つは猶太(ユダヤ)の地です。
 印度の地で生まれた邪気は「金毛九尾きんもうきゅうび」といい、女性に憑依します。
 ウラルの地で生まれたのは「八岐大蛇やまたおろち」。
 また、ユダヤの地で生まれたのは「六面八臂ろくめんはっぴ」の邪鬼です。
 六面八臂の邪鬼は六つの顔と八つのひじがあり、ある時は芸術家、政治家、医者、学者、老人、青年と、千変万化しながら、色々な人たちに憑霊して地上界を混乱させて全部統轄しようとする大変恐い邪神です。
 八岐大蛇はもっと強烈で、力でねじ伏せます。力主体霊(つよいものがち)という言葉で言い表されています。
 戦争の力、小さな国を力でねじ伏せようとする男性的な性格です。
 金毛九尾は逆にやわらかい猫撫声で入ってきて、ごっそりと持っていく。性格は女性的で、巧みに、やわらかく入ってきて、全てを奪い取ってしまう。
 三種の悪にもそれぞれ特徴があります。

 日本だけは神がつくられた特別な国なので三種の邪気に侵害されることを免れたと霊界物語に書いてあります。
 しかし王仁三郎聖師が大正時代に書いた「瑞能神歌みづのしんか」(※)には、もともとは神のつくられた尊い因縁のある国だったが「だんだん人の心が曇ってきて、神国しんこくだと言われたのはもう昔の話だ」というようなことが書いてあります。
※瑞能神歌…大正期に出口王仁三郎聖師に降った神示で、予言歌として知られている。

 一番大切なことは、我々の魂を元の魂に帰すことです。そうしないことには、三つの邪気に侵されてしまいます。神の言葉や教えに触れることによって、我々本来の人としてのあり方を取り戻せるのです。
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