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第1巻 発端

第1巻

発端

 明治31年(1898年)、出口王仁三郎聖師が27歳の時、富士の神霊に導かれて、丹波・穴太あなお(今の亀岡市曾我部町穴太)の霊山・高熊山たかくまやまで1週間の霊的修業をさせられました。
 肉体は高熊山の岩窟の前にありますが、魂だけ霊界へ行って、現界(顕界)・幽界・神界の三界を探検し、人間の住む現界以外に異次元の世界、神霊界が存在するということを、王仁三郎聖師は覚られました。

 その後、綾部に大本開祖の出口なおという人がいることを知ります。
 開祖は、自分のことを審神(さにわ)する人が東から出てくると神様から聞いていたので、三女の福島久子に八木やぎ(亀岡から園部の間)で茶店を開いて、そういう人が通りかかったら教えてほしいと頼んでいたのです。
 福島久子の茶店に上田喜三郎きさぶろう(後の出口王仁三郎)が通りかかりました。彼は異様な扮装いでたちをしており、紋付袴を着て、お歯黒をしていました。
 変わった人だなと思い呼び止めて色々な話をすると、神様を感じる人だということが分かり、お母さんが言っていた人かも知れないと思って、綾部に行くように伝えます。
 出口なお開祖と王仁三郎聖師との出会いは、霊界物語の第16巻に、35万年前の神代の話として書かれてあります。

 「発端」に「竜宮館りゅうぐうやかた」という場所が出てきますが(P1)、これは綾部の大本のことです。ただし当時の綾部ではまだ「大本」とは呼ばれておらず、出口なお開祖のことを、綾部の金神こんじんと呼んでいました。

 「竜宮館には変性男子へんじょうなんしの神系と、変性女子へんじょうにょしの神系との二大系統が、歴然として区別されている」(P1)と書かれてあります。変性男子というのは肉体は女性ですが、その魂は男性で、出口なお開祖のことです。
 開祖は肉体は女性ですが、懸かる神霊は国祖・国常立尊くにとこたちのみことという男の神様です。
 変性女子は肉体は男性ですが、その魂は女性で、王仁三郎聖師のことです。
 王仁三郎聖師は肉体は男性ですが、精霊は豊国姫尊とよくにひめのみことという女の神様です。
 変性男子はいづ御魂みたま、変性女子はみづ御魂みたまといい、厳は「タテ」、瑞は縦横無尽に働く「ヨコ」を現します。それで「火水」と書いて「カミ(神)」と読ませます。
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